10月のとある休日。

一人暮らしになってもほとんど生活のルーティーンは変わらない。朝仕度をすませ、歩いて10分ほどの喫茶店に行きモーニングを注文する。しばらく本を読んだりスマホをいじったりした後、帰宅し昼飯を作る。その後はずっと在宅。溜まった洗濯物をやっつけたり、寝転がってテレビを観たり…。

近所には商店街があり、3つほどのチェーン系喫茶店が点在している。 どこに入るかはその日の気分で決める。客の入りもそこそこで居心地は悪くない。
部屋探しの時はあまり深く考えていなかったが、ラッキーだったなと思う。

その日の昼飯はナポリタンを作った。ベーコンと野菜を炒めてそこにケチャップとパスタをぶちこめば完成。不器用な自分でも旨く作れる。こういうシンプルな料理が一番いい。

天気もよく、10月にしては暑いくらいだった。料理が上手くいって気分も良かったので昼間からハイボールを飲んだ。外は静かで、時おり通る車の音が聞こえてくるくらいだ。ベランダで洗濯物が風に揺れている。

ふと、もうこれでいいんじゃないかと思った。

結婚とかもう考えなくてもいいんじゃないか。こうやって一人でもそれなりに生きて行けるんじゃないか。働いて、家事をこなして、余裕あるときはこんな風にメシを作って酒を飲んで。

これでいいじゃないか。他人にどう後ろ指さされようが、一人でちゃんと自立して生きていればいいんじゃないか…。

ほろ酔いの頭でそんなことを考えているうちに気がついたら寝てしまっていた。