1月25日(水)

休日。

布団から出るのが億劫になるくらいの寒さだ。窓から外を見ると昨夜と変わらず道路は雪に覆われていて、その上にいくつもの足跡がついていた。これは普通に歩くのも手間取りそうだ。今日がたまたま休みでラッキーだと思った。

そういえば、昨日車両内で軟禁状態だったホサカ(地元の友人)はどうなったんだろう?無事家に帰れたのだろうか。

LINEを送るとしばらくしてから返信があった。明け方にようやく車両からは解放され、極寒の中数十分かけて別の駅まで歩いたという。更にそこから電車をいくつか乗り換え、家に着いたのは午前8時だったそうだ。車両内は暑く、ほぼ一睡も出来なかったらしい。

予想以上に壮絶だ…思わず言葉を失ってしまった。

『駅まで他の乗客たちと歩いている時は正にこんな感じだったぞ』

その言葉とともに画像が送られてきた。

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これは…『北斗の拳』のワンシーンだ。テロップどおり皆完全に『明日を見失った』顔をしていたのだという。無理もないだろう。

『正に北斗の拳の世界だな。ほんとにお疲れ。ゆっくり休んでくれよ』

ホサカに労いの言葉を送るとまたすぐに返信がある。

『今回に限って言えば世紀末救世主は最後まで現れなかったな。』

それには返信せず、俺は駅前にコーヒーを飲みに出かけた。