破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2020年02月

2月23日(日)

世間では三連休の真っ只中らしいがサービス業の俺は勿論全て仕事だ。仕事は特に大きなトラブルもなく終わったが、シフト作成やらセット出しやらやることはまだまだ山積している。明日も骨が折れそうだ。

両親は法事で帰省中で、しばらくは飯も自分でつくらなければならない。今日は豆腐にキムチとごま油をかけたもので晩酌とした。今一つ味がぼんやりしていたが、醤油を少し垂らすと引き締まった気がする。ごま油の風味が食欲をそそり、ビールを飲み過ぎてしまった。

マッチングアプリの相手『Zさん』とは2週間ほどメッセージのやりとりを続けていたが、さすがにもう話題も限界に近づいてきた。自分のスキルではこれ以上文字だけの会話を続けるのは困難だ。ここまできたら会って直接話すしかない。

おそるおそる『実際に会ってお話できませんか?』と送信すると、『ぜひともお願いします!』との返信があまり間を置かず返ってきた。

何かが始まるかもしれないし、何も起こらないかもしれない。結果がどうあれ、ようやく自分もスタートラインに久々に立てたような気がしている。

今日も仕事は終わった。

2月に入ってから売上は更に下降傾向だ。新型コロナウイルスの影響だろうか、いつにも増して客足は減っている気がする。今月はまだ1週間以上あるが、またもや昨対を大きく割りそうだ。

このところまた雑誌の休刊が続く。近い将来、雑誌は付録付きの女性誌を除いて絶滅するんじゃないだろうか。つくづく寂しい時代だ。

帰りのバスに乗り込み、鞄からスマホを取り出す。マッチングアプリを開くと今日も新しいメッセージが届いていた。

ここしばらくはいいね!をくれた女性(仮にZさんとする)とほぼ毎日メッセージのやりとりをしている。全く成果がなく、そろそろ退会しようかと考えていた時にちょうどいいね!をくれたのだった。

プロフィールを見ると音楽の趣味が驚くほど近かった。おまけに酒好き。挙げ句添付されている写真も好みの感じだった。 これは断る理由もないなと自分も即座にいいね!返しをし、やりとりが始まった。

しかし趣味が合うとはいえ、会ったこともない人と文章だけでやり取りをするのは骨が折れる。どんな表現にするか、何を質問するか、表情が見えない分かなり気を遣う。下手したら途中で打ち切られる可能性も大いにあるわけで、毎回ヒヤヒヤしながらメッセージを作っている。

ちょっと面白いニュアンスだから(笑)をつけたほうがいいのかな?それとも今ならwかな?

『なにが(笑)だバカ野郎。お前そんな奴じゃねーだろうがよ。いい歳こいたおっさんがよ!』

もう1人の自分の声が聞こえたけど、それには気づかないふりをした。

今日は休みだ。

いつもと同じ喫茶店でモーニングをとりながらこのブログを書いている。今日は運良くボックス席に座れた。隣はママ軍団が賑やかにおしゃべりしている。大爆笑、子供の叫び声、また大爆笑‥イヤホンを持ってきておいて良かった。

先週は自分にしては忙しかった。連続勤務に東京出張まであってほとほと疲れた。長時間の新幹線は本当にしんどい。真横に全く知らない人がいるというのはストレスが溜まる。ずっと同じ態勢でいると、降りる頃にはすっかり腰と肩が痛くなった。

東京出張の後は高校の頃からの友人『H』と数年ぶりに会った。彼は就職を機に地元を離れ、今は結婚して都内に住んでいる。それでも以前はちょくちょく会っていたのだが、ここ数年はお互い忙しくタイミングが合わなかったのだ。

久々すぎて、再会するまでは長年の友達といえど少し緊張していた。キャラ変わっていたらどうしよう?、ものすごいハゲてたらどうしよう?、会話続かなかったら?‥不安だったが、実際はキャラも外見も昔のままで安心した。

強いて言えば、向こうはもう二児の父。守るべきものを持った一人前の男の顔になっていたような。時々ふと見せる疲れた表情すら様になっている気がした。

同時に、いまだ結婚もせずマッチングアプリに一喜一憂してる自分が少し恥ずかしかった。

飲み屋を二軒ハシゴして『H』を見送った。次会えるのはいつだろうか。ほろ酔いで人通りの少ない靖国通りを歩きながらホテルへと向かう道すがら、気分は悪くなかった。

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最近YUKIがストリーミング解禁されたのでよく聴いている。

今聴いているのは現時点での最新作となる『forme』というアルバム。色んな有名アーティストが曲を提供しているのだが、これがほんといいアルバムだ。

特に『魔法はまだ』(吉澤嘉代子)、『百日紅』(尾崎世界観)、『sunday girl』(細野晴臣)の三曲がかなりグッときた。よくこんないい曲他人にあげるなあ、と思うくらい最高だ。他の曲もいい曲ばかり。

しばらくは色々聴いてみようと思う。

相変わらず寒い日が続いている。これでも例年よりはずっと暖かいそうだが、早く春になってほしいものだ。

今日は散髪に行ってきた。前にもこのブログに書いた薄毛の人専用の所だ。片道80分、電車を乗り継いで向かう。自分でもどうかと思うが、普通の美容院ではどうにも決まらないから仕方がない。つくづくハゲは損しかないと思う。時間と金(と髪の毛)ばかり減っていく。

『これくらいでいかがでしょう?確認していただけますか?』いつもの美容師に言われて顔をあげた。ろくに鏡も見ずに『はい、大丈夫です』とやや食い気味に答える。薄毛の自分にとって散髪の時間は本当に憂鬱だ。切ってもらっている時間はほとんど雑誌に目を落としている。鏡なんて見たくないのだ。

普通の人なら美容師と楽しく世間話なんてするのだろう。髪型を気分で変えてみたりして。無口な俺はやりづらい客だと思われているかもしれない。そう考えると申し訳なく思う。だから帰る時は必ず『ありがとうございました』としっかり言うようにしている。

帰り道、コンビニで酒やお菓子を買った。レジの若い女性は俺と一度も目を合わせることもなく、気だるそうに商品をスキャンしマスク越しに値段を告げた。お釣りはかなり上のほうからジャランと落とされた。こんな対応されるくらいならもういっそのことレジを全てロボットに変えてほしい、と思う。

今頭にあるのは、ここには書けない幾つかの憂鬱な現実と、砂粒くらいの希望。気が滅入るような毎日がいつか浄化されるような日は来るんだろうか。

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