破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2020年05月

5月に起こったこと。

今月は何より『鬼滅の刃』だ。13日に発売された最新20巻のためにさんざん苦心させられた。

何より人気が凄まじい。既刊は常に品切れ状態、重版分の追加が入ってきても一瞬で売り切れてしまう。コミックでは久しぶりの『現象』と呼んでいい熱狂ぶりだ。

そんな超人気作の新刊である。事前に大量の予約が入っていることはもちろん、僅かに残っている店売り分を求めて発売日はかなりの混雑が予想された。

どうやってレジをさばくか、どこに並んでもらうか。考えることはいくつもあった。現在の勤務店は郊外のこじんまりとした書店で、今まで行列が出来たことなどほとんどない‥。従業員皆が頭を悩ませた。

そのため、発売前1週間前あたりから上の空になり他のことが手につかなくなってしまった。他メンバーも完全に浮き足立っている。全く、コミック一つでどこまで振り回されないといけないのか‥

結局当日は大きなトラブルもなく終われたのだが、これから年内にかけて21巻から23巻が発売されることがアナウンスされている。おまけに全て通常版と特装版の二種類があるという鬼仕様。

マジで勘弁してくれ‥

4月から5月にかけて。

遠出など出来るわけもなく、友達と飲みに行くことも出来ず、休みの日はほとんど家にいた。

その間にマッチングアプリで知り合った『Zさん』とも正式にお別れすることになった。詳細は伏せるが、今後二度と会うことはないだろう。

最後に会ったのは3月下旬の某日。別れ際互いに手を振り合い、こちらが改札に切符を通した後振り向くと、もう一度小さく手を振ってくれた。

今思えばそれが今生の別れだったのだ。その時は次に会う約束もしていたので、特に意識もしていなかったけれど。

4月に入ってからコロナがより深刻になり、しばらく会うのは辞めておこうかと決めて、結局それっきりになってしまった。

今だって会いに行こうと思えば行ける。LINEすることも電話をかけることも、やろうと思えばやれる。けれど、決してそんなことはしないだろう。

婚活のゴールは2つだけ。付き合うか、一生会わないか。『その中間をとって、友達になりましょう♪』という答えは存在しないのだ。

今日もいつもの喫茶店。ふとZさんのことを思い出しながらこのブログを書いている。

またひと月近くブログを放置してしまった。

理由ははっきりしていて、仕事が忙しすぎて更新する余裕がなかったのだ。

3月から現在に至るまで、コロナウイルスによる外出自粛の影響で書店には来客が激増した。遠出も出来ず時間を持て余した人たちが本を求めたのだろう。文庫本、コミックのまとめ買いが本当に多かった。

主婦の方々はこぞって学習参考書を大量に買っていった。学校もなく家にいる子供にやらせるためだろう。

とにかくよく本が売れた。4月の前年比は150%を軽く凌駕した。この出版不況の中、本が持つポテンシャルを再確認し嬉しくもあるが、それが一過性のものであることも自覚している。

毎日品だし、問い合わせ、レジ、発注に追われ瞬く間に時間が過ぎていった。最近やっと落ち着いてきて、このブログを書いている。

また続きを書こうと思うが、とりあえず非常に疲れたし、忙しくてもそうでなくても心は常に沈んでいる。

このページのトップヘ