破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2021年01月

三が日が終わり、自分のアパートに戻ると急いで年賀状の返事を書いた。無精者なので毎年書くのは年が明けてからだ。

とはいえ、友人もごく僅かな自分に届いた年賀状は5枚のみ。返事を書くのもそこまで苦ではなかった。

大学時代の唯一の友達だったMからも届いていた。同じ学部の女の子と付き合って結婚し、今では一人娘と幸せに暮らしているという。

その一人娘の写真がデカデカとプリントされた年賀状を改めて眺めてみる。黒いタートルネックを着て澄ました顔でこちらを見つめるその姿は随分大人びて見えた。

大きくなったなあ。
もう9才になるのか。小3かあ。
Mに似て目がクリッとして可愛らしい子だな。
こりゃ自慢の娘だろうな。

しばらくそんなことを考えていた。もちろんこの娘には会ったことがない。それどころかM自身にももう7年会っていない。別に仲違いしたわけではない。たまにフワッと思い付いたことをメールすることもある。けれど、また会って飲みにでも行こうか、なんて話題になることはない。

今回も『コロナが明けたら飲もう!』などと書かれてはいたが、例えコロナが明けようが明けまいが彼と飲みに行くことは今後もないと思う。今さら会って何を話すというのか。向こうは家庭を築き、こちらは相変わらず独身中年。変わったことといえば、安アパートに一人暮らしするようになったことくらいで。

最後に会った7年前の時点でとっくの昔に住む世界が違うことは気づいていた。もはや共通の話題などもう何もないのだ。何を話しても空回りしているような、あの時のそんな気まずさを思い出した。

Mへの返事に何を書こうか。しばらく考えた結果、『悲しいことがあったら俺のことを思い出せ。俺より終わってる奴はそうそういない。』、そう書いてペンを置いた。

新年も早いものでもう1週間が過ぎた。

結局実家には5日程滞在したのだが、長く居続けるのも良くないなと思った。確かに楽ではある。ほっといても飯は出てくるし、なおかつ金はかからない。やることは無いからついついテーブルにあるお菓子などをつまんでしまう。たった数日なのに少し太ってしまったようだ。

三が日は全て仕事だった。今年は自粛ムードもあり、例年より売上が良かった。相変わらずコミックのまとめ買いが多い。いわゆる巣ごもり需要というやつだろう。特に『約束のネバーランド』、『僕のヒーローアカデミア』の売れ行きが急増している。あとは『チェンソーマン』、『キングダム』あたりか。

相変わらず『鬼滅の刃』、『呪術廻戦』は全く入荷の見込みがない。一体いつになったら普通に在庫がある状態になるのだろう。

そして緊急事態宣言再び。書店業界が今年どうなっていくのか。もはや全く予想できない。

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