破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2021年03月

相変わらず何をやっても楽しいと感じられない状態が続いている。

今日は休みで、午前中はいつも通り掃除洗濯のルーティンをこなした。一息ついてコーヒーを飲んでいると注文していた荷物が届いた。本棚、シンク下収納器具、物干し竿。まずはシンク下収納器具を組み立てて無造作に置いていた調味料たちを入れてみる。これで狭いスペースが今までよりかは有効に使えそうだ。

それだけで何となく疲れてしまって、時間のかかりそうな本棚は後日に回すことにした。横になりラジオを聴く。最近はダイアンのラジオばかり聴いている。小難しいような会話は一切なく、まるで中学生男子のようなトークが最高に楽しい。余計なことを考える必要がないのが良かった。

その後はずっと横になっていた。また今日も生産的なことは何もない休みだったなー、などと思いながら。思うものの、そこから立ち上がり何かを始めることはない。

何にもしたくない。誰にも会いたくない。

自分は今軽い鬱なのかもしれない。この無気力状態はいつまで続くのだろう。実家に帰ってちゃんとしたメシでも食えばましになるだろうか。スマホの時計を見ると夕方4時。今から帰れば母親の料理でビールを飲むことも出来る。久々に風呂で足を伸ばすことも出来るだろう。

今日はラクさせてもらおうかと実家の番号を押しかけた刹那、折り合いの悪い父親や姉のことを思い出した。この二人とはもう何年も口をきいていない。自分が突然帰ったらお互い気まずい思いをするだけだ。

結局そのまま部屋で過ごした。年老いた両親、30年引きこもりの姉、そしてこれから先確実に起こること。

実家に帰っても憂鬱など晴れるわけはないのだ。余計なことを考えたくないからずっとダイアンのラジオを聴いている。

3月4日。

呪術廻戦新刊の発売日。トラブルなど起こらないか不安だったが、開店直後にちょっとした列が出来たくらいで後は問題なく業務を終えられた。それでも店頭用の在庫は午前中にキレイに無くなり、午後からは問い合わせや客注対応に追われることになった。

忙しない1日だったが、ひとまず無事に終わって良かったと思う。

閉店後、学生バイトの女の子が声をかけてきた。

『お疲れさまでした。私、ブログ主さんと一緒にシフト入るのは今日で最後です。ありがとうございました。』

『え、そうだっけ!?』

彼女は今月で大学卒業だ。当然バイトも辞めるわけだが、こんなに早かっただろうか。

『あと残りの私の勤務は全てブログ主さんいない日なんです。』

シフトを見ると偶然にも残りの勤務は全て俺の休みの日ばかりだ。まだまだ先だと思っていたので面食らったが、取り敢えず今までのお礼を告げた。

『今までありがとう。お疲れさまでした。』


もっともらしいことを言って見送ったけど、自分はずっとその子のことが苦手だった。約四年も働いていたけれど、しっかり話したのはグッと凝縮しても5分もないかもしれない。合わないと一度でも思ったら自分からは一切近付かず、最低限の会話しかしない。頼みたい仕事も他の自分がやりやすいメンバーに任せる。

我ながら最低な人間だ。

四月から彼女は遠く離れた場所に引っ越すという。おそらく二度と会うことはないのだろう。こんなことならもう少しでも会話しとけば良かった、などと今さら思うところもまた最低だな。

しばらく自己嫌悪に陥っていたが、帰宅してビールを飲む頃にはすっかりそんなことは忘れてしまっていた。

3月4日は『呪術廻戦』15巻の発売日である。

おそらくまた14巻の時のように多くの予約者たちが詰めかけるだろう。今から気が重い。

しかもそれ以外にも『チェンソーマン』、『鬼滅の刃塗り絵』など、売れそうなタイトルが目白押しだ。

当日の人員配置はもう決めている。あとはうまくさばいていくのみだ。トラブルが無いことを願おう。

しかし去年は鬼滅の新刊の度に準備やら当日の混雑やらで散々消耗させられ、やっと完結してくれたと思ったら呪術に切り替わっただけだった。この喧騒はまだまだ終わりそうにない。コミックの売上が上がるのは有難いとは思うが、これだけの異常人気になってくるとトラブルの可能性も増えるから嫌になる。

それでなくても最近は気圧のせいもあるのか気分が下がる一方だ。何をしても楽しくない。誰かと連絡をとる気にもならない。

今日も終日布団で横になっていた。どこかに出かける気にもならない。もはやこのまま一歩も外に出ないまま消えていきたい気分だ。

何とかしたいとは思うけど心は完全に塞がっている。

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