今日は久々の早番だった。
書店員の早番の仕事は主に検品と品出しだ。朝職場に着くと運送会社によって運ばれたダンボールが既に積まれている。それらを開封し、ジャンルごとに分けていく。
この作業が地味ながら楽しい。こんな新刊入ってきたんだー、とか、これ売れそうだから目立つとこに出さないとなー、とか色々思いながら仕分けをしていると、書店員とはやはり早番で働いてナンボだなと再認識する。
特に大きな問題もなく定時であがった。
帰りのバス停で激しい調子で電話をしている女性がいた。盗む聞きするつもりはないが、声が大きいので嫌でも耳に入ってくる。
『ねえ、なんでなの?なんで私はあなたのことをこんなに思っているのに会うのを避けようとするの?ラインも返してくれないの?』
痴話喧嘩だろうか。横でバス待ちをしている男がチラチラと女性を見ている。
『ねえ、待ってよ!切らないで!お願いだから!これで終わりなんて嫌だ、嫌だぁ!イヤ、イヤイヤ!!』
声が一際大きくなる。早くバスが来ないかなと思う。イヤホンで音楽を聴きたいけれど今日は持ってくるのを忘れたんだった。横の男はまだチラチラ見ている。いつまで見てんだよコイツは。
結局バスが来るまで女性は喚き続けていた。
電話口の相手を想像し、こりゃ別れるのは大変だろうなと少し同情しつつ、どうして人はどれだけ仲が良くても別れてしまうのだろう、としばらく考えていた。
どうしてあんなに愛し合ったのに、別れは訪れるのか。
二度と会わないどころか、完全に他人になり顔すらも思い出せないくらいになってしまうのか。結局忘れてしまうのなら一緒にいた時間に果たして意味はあったのだろうか…。
ふと顔を上げるとバスはもう駅に着いていた。
書店員の早番の仕事は主に検品と品出しだ。朝職場に着くと運送会社によって運ばれたダンボールが既に積まれている。それらを開封し、ジャンルごとに分けていく。
この作業が地味ながら楽しい。こんな新刊入ってきたんだー、とか、これ売れそうだから目立つとこに出さないとなー、とか色々思いながら仕分けをしていると、書店員とはやはり早番で働いてナンボだなと再認識する。
特に大きな問題もなく定時であがった。
帰りのバス停で激しい調子で電話をしている女性がいた。盗む聞きするつもりはないが、声が大きいので嫌でも耳に入ってくる。
『ねえ、なんでなの?なんで私はあなたのことをこんなに思っているのに会うのを避けようとするの?ラインも返してくれないの?』
痴話喧嘩だろうか。横でバス待ちをしている男がチラチラと女性を見ている。
『ねえ、待ってよ!切らないで!お願いだから!これで終わりなんて嫌だ、嫌だぁ!イヤ、イヤイヤ!!』
声が一際大きくなる。早くバスが来ないかなと思う。イヤホンで音楽を聴きたいけれど今日は持ってくるのを忘れたんだった。横の男はまだチラチラ見ている。いつまで見てんだよコイツは。
結局バスが来るまで女性は喚き続けていた。
電話口の相手を想像し、こりゃ別れるのは大変だろうなと少し同情しつつ、どうして人はどれだけ仲が良くても別れてしまうのだろう、としばらく考えていた。
どうしてあんなに愛し合ったのに、別れは訪れるのか。
二度と会わないどころか、完全に他人になり顔すらも思い出せないくらいになってしまうのか。結局忘れてしまうのなら一緒にいた時間に果たして意味はあったのだろうか…。
ふと顔を上げるとバスはもう駅に着いていた。