破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2022年09月

9月も今日で終わりだ。

今月はなんだかんだで色々あった。棚卸、北海道旅行、仕事のトラブル…どれも最後は無事に終わって良かったが疲労感だけが残った。

ブログのアクセス数は先月よりは多少増加した。とはいえ相変わらずランキングはパッとしない位置をウロウロしている。20位以内に入ることなど一度たりとも無かった。神メンバーたちが順位を落とすことはまだまだ無さそうだ。

残念な気持ちもあるにはあるが、もう順位とか別に気にしなくていいかな、と思う自分もいる。少ないながらも見てくれている人はいるし、更新することで自分のアウトプットにもなっている。他人は他人だ。マイペースに今後も書きたいことを書いていけばいい。

しょせんこのブログなどネットの底の底をさまようただの落書き帳なのだから。

来月も思い付くままに書いていきます。アクセスして頂いた皆様、ありがとうございました。

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多少のアクセスアップを祝して、大学時代のサークルのメンバーが集まってくれた。

9月29日(木)

暑すぎることもなく、寒いわけでもなく。ほどよく過ごしやすい気候だ。久しぶりに長袖シャツにネクタイを締めて職場に向かった。 これくらいの感じがずっと続けばいいのに、いつだって春も秋も短すぎる。

今日は珍しく夜のメンバーが全員男だった。こんなことは何年ぶりだろう。カウンターの中に男が集まると圧迫感がひどく、暑苦しくて仕方がない。体感温度が何度か上昇したような気がした。やはり書店のアルバイトは若い女子に限る。20代の女子バイトは存在しているだけで癒しなんだな、と痛感した。

特に大きな問題もなく勤務が終わった。むさ苦しい男たちが帰っていったあとスマホをチェックすると、友人ホサカ(仮名)からのLINEが届いていた。来月飯でも行こうかとやりとりしていたのだが、どうやら忙しくて厳しいようだ。残念。随分と長い間会っていないような気がする。前回会ったのはいつだったろう。

ホサカは10年前に付き合っていた彼女と結婚し、現在は二人の子供がいる。この彼女と付き合い始めた頃は会うたびにさんざんのろけを聞かされたものだ。それもかなりあけすけに話すので、聞きたくもないことまで知る羽目になってしまった。今でも自分はホサカが奥さんと初めてキスした場所、初めてペッティングした場所、そして初めて結ばれた場所さえも暗唱することが出来る。

ある時ホサカの運転する車に乗ってドライブしていると、とあるラブホテルにさしかかった。ホサカは言った。

『昨日彼女とこのホテル行ったけど、俺一晩で5回射精したわ』

『マジで!!?』

その時のホサカの誇らしげな顔が今でも忘れられない。

そんな性豪っぷりを見せつけていたホサカも結婚して10年が経ち、今では奥さんの体に触れることすらないという。いつの間にか寝室は別になり、今では1人で射精することすらないと聞いた。

最後に会ったとき、ホサカはひどく疲れていた。仕事と家族で時間を奪われ、1人の時間が少しでも欲しいとしきりにこぼした。その顔は全ての現実にうんざりしているように見えた。『買い物頼まれてるから先に出るわ。いつものアカチャンホンポとイオンな。』自分のコーヒー代を置くとホサカはそそくさと店を出ていった。

全てはうつろっていく。変わらないものなど何一つない。

そんなことは分かっている。

ただ、あの日のドライブでの誇らしげなホサカの顔を思い出す度に少しの寂しさを覚える自分がいるのだった。

二人目が生まれ完全にセックスレスになってしばらくたった頃、ホサカの奥さんがこう言ったという。

『あの日の夜、あなた凄かったよね。まるで倒れても倒れても起き上がってくるボクサーみたいに、明け方まで眠らせてくれないんだもの。』


ホサカ、話盛ってないか?笑

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9月28日(水)

起きた時からなぜか気分が重く、仕事に行くのも億劫で仕方がなかった。布団に入ったまま日が暮れるまで寝ていたかったが、残念ながらそういうわけにもいかない。

昨日SNSでsyrup16gが久々に新作をリリースすることを知った。実に5年ぶり、長かった…。この期間は全く音沙汰が無かったり、思い出したようにライブを何回か行ったりで、いい加減いつになったら本格的に動き出すのかやきもきしていたので、これは嬉しいサプライズだった。現在進行形の五十嵐のソングライティングが本当に楽しみだ。

ライブもあるそうだが、まずチケットは取れないだろう。全国ツアーとかやってくれたらいいのに。

今日の夜バイトは水野さん(仮名)だった。いつだって百点満点の笑顔でスタッフやお客さんと話せる女の子で、この子が沈んだ表情をしているのを見たことがない。面接の時からすでに完璧で、ものの数分も経たないうちに採用を決めたものだった。

今日もテキパキと笑顔で業務をこなす水野さんを見ながら、そういや去年この子に元彼女にふられたことを話したなあ、などと思い返した。あの頃はかなり精神的にダメージを食らって完全におかしくなってしまっていた。普段プライベートなことなど一切話したりしないのに、職場の何人かにも色々とあけすけに語ってしまい、後から恥ずかしくなったのを覚えている。

あの日の閉店後、ふられたことをこぼすと水野さんは『時間が全て洗い流してくれますよ!』といつもの笑顔で言ったのだった。20個下の女の子におっさんが何励まされてんだ、と冷静になった今なら思うのだが当時は全く余裕がなかった。

水野さんはこちらのそんな思いに気付く様子もなく、何食わぬ顔でゴミ箱のゴミを回収している。

『いまだに洗い流せていないんだけど、どう思う?』などと真顔で聞いたら果たしてどんな顔をするだろうか。いや、きっと一年以上も前のバイト先の中年社員との会話などきれいさっぱり忘れてしまっているに違いない。








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9月27日(火)

休日。

先日アパートの契約更新のために必要な書類を管理人に郵送したのだが、後日電話がかかってきた。なんでも内容に不備があったそうで、もう一度送ってほしいという。面倒くさいなと思いつつ、よくよく聞いてみると完全にこちらの不手際だった。いい年をして何をやっているのだか。担任に提出物のことで注意される小学生のようなばつの悪さを覚えた。

旅行などもありなかなか動けないでいたが、今日ようやく市役所に行ってきた。

番号札を受け取りベンチに腰をかけると、窓口のほうから男の苛立った声が聞こえてきた。白髪混じりの頭を刈り込んだ上下ジャージ姿の男が何やら怒鳴っている。詳しい事情は分からないが、『話のわかるやつ呼んでこいよ!』と激昂しカウンターに拳を叩きつけていた。

役所に行くと毎回決まって誰かがブチギレている気がする。そして毎回げんなりする。働いている人にとっては日常茶飯事なのだろうか?自分なら三日と持たないだろう。書類を受け取ってそそくさと窓口を後にした。

話は変わり、最近はワタナベイビーの『GOLDEN BABY』というアルバムを聴いている。

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それほど期待せずCDを買ったのだがこれが最高だった。正直『あれ、いい曲全部ホフじゃなくてこっちに回した?』と思ってしまうほど。

自分はホフでは圧倒的にベイビー派だったが、3rd以降どんどんユウヒ色が強くなり(ユウヒの曲ももちろん好きなのだが)、ベイビーの曲も少なくなっていったのはちょっと不満ではあった。だがここでは純度100%、キレッキレのベイビーワールドを堪能出来る!!曲もほんとに粒揃いで、まさにゴールデンの名前にふさわしいアルバムだ。

しかしこれだけの傑作がほとんど話題にならないのは残念で仕方ない。一体日本全体で何枚くらい売れたのだろう?





9月26日(月)

三連休の影響か、普段の月曜日なら考えられないほどの入荷があった。とてもいつもの人数で出しきれる量ではない。急遽休みの何人かに連絡するとすぐにその内の1人が駆けつけてくれた。めちゃくちゃにありがたい。心からお礼を言った。

来月からまた最低賃金が改定される。自分の勤務店ではそれに合わせて時給は数十円アップすることになった。それ自体は良いことだと思うのだが、時給が上がるということはますますシフト作成が困難になることを意味する。

これは書店の利益構造によるもので、総売上を100%とした場合、まず約77%が仕入れにより持っていかれる。残った23%が粗利益となるわけだが、そこからデヴェロッパーへの家賃、光熱費などが引かれ、備品代が引かれ、当然人件費やその他諸々も引かれ、純利益はたった数%となってしまう。

つまり、皆の時給が上がっても以前のままのシフトを作り続けていると、しまいには利益が出なくなってしまうのだ。

毎年時給が上がり続ける中でちゃんと純利益を出すにはどうすればいいか?最終的には広い店内をたった1人で駆けずり回り、レジから品出し返品全てをこなさないといけない、ということになってしまう。

さすがに無理がある。はっきり言って、この利益構造がもう完全に限界なのだ。

早晩小売りは終わりを迎えるような気がする。身の振り方を本気で考えておかなければいけないのだろう。

朝礼で早速この話を他従業員に伝えた。駆けずり回りながら全てをこなす様を大袈裟なアクション付きで再現すると、女性陣はケラケラと笑い声を立てていた。果たして笑っている場合かな?内心思ったけれどあえて何も言わなかった。

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