そんな感じで、入社して1ヶ月あたりは松下さんとコミック売場で作業をすることが多かった。
毎日届く山のような新刊や注文品にひたすらシュリンクをかけ、品だしをしているとそれだけで1日の大半は終わってしまう。中途半端に残したまま『お先でした~』などと帰ることなど出来るわけもなく、閉店まで残ることもざらにあった。
もちろんサービス残業である。当時はそのあたりが今よりずっと緩かった。
困ったのは松下さんのサボり癖だ。こちらが必死こいて品だしの山を片付けている間も、隙を見てはレジのバイトの女の子にちょっかいをかけに行ってしまうのだ。そんな時の松下さんは、自分と話す時の仏頂面が嘘のようにデレデレしていた。
恨めしそうな顔をしていたのがバレたのだろうか、先輩女性社員『フクモトさん』がふいに近づいて言った。
『困ったもんだよねー松下さん。破滅クンだけに押し付けて。』
『あー、いえいえ…』
『あの人いつもああなんだよ。可愛いアルバイトが入ってくるとすぐベタベタしちゃって。で、すぐ自分の物にしちゃうの。』
『へぇー…そうなんですか』
なんとなくフクモトさんが面白くなさそうに見えたのは気のせいだろうか?どう返事すればいいのか分からず、俺はただ曖昧な笑みを浮かべることしか出来なかった。もう一度レジのほうを見ると、松下さんは何がおかしいのかバイトの子が言うことに手を叩いて笑っている。
『仕事しろっつーの、あのバカ』
フクモトさんがボソリと吐き捨てた。
後で分かったことだが、松下さんはこの時話していたアルバイトを1ヶ月も経たないうちに『自分の物』にしていた。
そして、フクモトさんは松下さんの数年来のセフレだった。
(ちなみにフクモトさんはこのシリーズの①②に出てた人と同一人物である)
毎日届く山のような新刊や注文品にひたすらシュリンクをかけ、品だしをしているとそれだけで1日の大半は終わってしまう。中途半端に残したまま『お先でした~』などと帰ることなど出来るわけもなく、閉店まで残ることもざらにあった。
もちろんサービス残業である。当時はそのあたりが今よりずっと緩かった。
困ったのは松下さんのサボり癖だ。こちらが必死こいて品だしの山を片付けている間も、隙を見てはレジのバイトの女の子にちょっかいをかけに行ってしまうのだ。そんな時の松下さんは、自分と話す時の仏頂面が嘘のようにデレデレしていた。
恨めしそうな顔をしていたのがバレたのだろうか、先輩女性社員『フクモトさん』がふいに近づいて言った。
『困ったもんだよねー松下さん。破滅クンだけに押し付けて。』
『あー、いえいえ…』
『あの人いつもああなんだよ。可愛いアルバイトが入ってくるとすぐベタベタしちゃって。で、すぐ自分の物にしちゃうの。』
『へぇー…そうなんですか』
なんとなくフクモトさんが面白くなさそうに見えたのは気のせいだろうか?どう返事すればいいのか分からず、俺はただ曖昧な笑みを浮かべることしか出来なかった。もう一度レジのほうを見ると、松下さんは何がおかしいのかバイトの子が言うことに手を叩いて笑っている。
『仕事しろっつーの、あのバカ』
フクモトさんがボソリと吐き捨てた。
後で分かったことだが、松下さんはこの時話していたアルバイトを1ヶ月も経たないうちに『自分の物』にしていた。
そして、フクモトさんは松下さんの数年来のセフレだった。
(ちなみにフクモトさんはこのシリーズの①②に出てた人と同一人物である)