破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2023年04月

4月28日(金)

休日。

予約していた美容院で髪を切り、帰りの電車に乗るために駅に向かうと改札の周りに人が溢れかえっていた。何事かと近寄ると、近隣の駅で人身事故が発生したことを告げるアナウンスがしきりに流れている。予定していた時間より復旧が遅れることを駅員が告げると、ごった返した人波から『ええ~』と落胆の声が上がった。

特に急ぐ理由もなかったので、近くの喫茶店で休もうかと思ったのだが、そこにもギッシリと客が入っていた。同じことを考える人が多かったのだろう。諦めて適当な壁にもたれ持参していた文庫本をしばらく読んでいた。

自殺だとしたら…ふと考える。壮絶に痛い思いまでして自ら命を投げ出すのはどんな感情なのだろう。自分はまだそこまでの状態になったことはないが、それは果たして恵まれているのだろうか。名前も顔も分からないが、亡くなった方を思うと胸が痛んだ。

とはいえ、生きるか死ぬかなんて紙一重なのかもしれない。

思い出すのは小学校の頃の担任のことだ。男性で、まだ20代半ばだったろうか。シャツから伸びた腕は逞しく、髪は365日綺麗な角刈り。まるで絵に描いたような熱血教師だった。常にテンション高く、バイタリティの塊のような人で生徒からも大変な人気だった。


そんな熱血先生がとある山中で首を吊った姿で発見されたのは、卒業して数年たった頃のことだ。詳しい理由は分からないが、しばらく先生が鬱を患っていたらしいということは後に誰かから聞いた。

あれほど元気でポジティブそのものに見えた先生が自ら命を絶ったという事実。それはあの頃教室にいた全員の心に暗い影を落としただろう。

だからこそ思うのだ。誰しも何らかのきっかけで『向こう側』に落ちる時が来るのかもしれないのだと。人身事故で亡くなった方、山奥で1人で死んでいった先生、他人事とは全く思えない。

自分は無力だ。出来ることといえば、精神をやられないように祈りながら生きることくらい。

images (20)



最後に…いつも読んでもらってありがとうございます!ランキングに参加しています。気に入ったらポチっとクリックお願いいたします!!





4月27日(木)

依然として売上は厳しい。今月も前年比を大幅に割ったまま終わってしまいそうだ。村上春樹の新刊ももうすっかり落ち着いてしまい、特設台に立ち止まる人もいない。

極限まで削った来月のシフトを眺めてため息をつく。ここまでしても目標数値内には収められていない。一体これ以上どこを削れと言うのだろう。いよいよ完全に1人で店を回すか?考えるのが面倒になり、しばらくパソコンでネットニュースを見て時間を潰していた。

最近はかなり久しぶりにスネオヘアーの『フォーク』を聴いている。

images (19)

社会人になって1年目か2年目くらいだっただろうか。仕事帰りによくこのアルバムを聴きながら自転車を走らせたものだった(イヤホンを着けて自転車に乗るのはとても危険なので止めましょう)。「ストライク」、「ヒコウ」、「自画像」など、アッパーな曲から内面に深く潜り込んでいくような曲まで、バラエティーに富んだ本当にいい曲ばかりが揃っている。これ以降も好きな曲はあるが、やはり今作がスネオヘアーの最高到達点だろう。




また更新をサボってしまった。

更新しようと思いつつ結局出来ないまま1日が過ぎていく。まるでレンタルCDの延滞金がどんどんかさんでいくようなモヤモヤを抱えながら毎日を過ごしていた(この例えもあと数年もしたら通用しなくなるのだろう)。

書きたいこともあった気はするがもう忘れてしまった。

健全な精神状態があってこそブログも更新出来るのだろう。この頃は仕事もプライベートも全てがうまくいかない。色々な事がダメージになってイライラが極点まで達しているような気がする。普段なら気にならない些末なことにやたら腹が立つ。こんな精神状態の時に人は足を踏み外すのかもしれない。間違っても事件など起こさないように気を付けようと思う。

辛い時はいつか過ぎる。今はじっと耐えるのみ。

イライラの元をブログに全てぶちまけようか?仔細に嫌いな奴の事を書き散らしてやろうか?一瞬そう考えたりもしたが、やはり止めておいた。そんなものを偶然にでも目にする人がいたら気分を悪くするだろう。誰が見知らぬ中年おっさんの愚痴を読みたいというのか。

もしブログを愚痴の掃き溜めにするようになったら?その時は潔く完全消去しようと思う。

ひとまず今日はここまでにして、また書いていこう。

※ブログに愚痴を書いている人を否定しているのではない。自分はそう思うというだけで、書きたい人は存分に書けばいい。

images (17)

4月25日(火)

休日。

連勤で疲れているはずなのに何故か明け方まで眠ることが出来ず、目を覚ますと既に10時前になっていた。

さすがにまずいと思い着替えていつもの喫茶店に行く。モーニングの時間にギリギリ間に合った。良かったなーと思ったのも束の間、隣の席に大柄な男がやってきて興ざめする。男はノートパソコンのキーボードをしきりにカチャカチャ言わせていた。店内はポツポツと客がいるだけなのに、なぜわざわざ隣に座るのだろう。せっかくの落ち着く時間を邪魔されたような気分になり早々に店を出てしまった。

最近は本当に何をやってもパッとしない。神経がすり減っているのか、こんなちょっとしたことでもやたらイライラしてしまう。

食料品を買い込んで帰宅すると、もう他に何もする気は無くなって夕方まで横になっていた。

しばらくうとうとした後、ふいに天井を見上げ思う。誰かと愛し合うことなんてもうこの先あるんだろうか。ふと頭に浮かんだのは何年も前に少しの間だけ付き合った人だ。

優しい人だった。よく笑う人だった。自分のことを必要だと言ってくれたけど、結局うまくいかなくなり別れることになった。

今はもうどこで何をしているのかもわからない。あのアーチェリーの的の様に大きな乳輪に、今ごろはどんな男が舌を這わしているのだろうか。

あの頃に戻りたいわけでも、もう一度やり直したいわけでもない。どれだけ思い返しても過去は過去に過ぎなかった。

結局、別れることこそが生きていくことなのだろう。一体どれだけの人が自分の元から離れていったのか、もう今ではうまく思い出せない。そして、それを何とも思わなくなっている事に悲しみを覚えたりもする。

images (18)

4月24日(月)

呪われてるのかと思うくらい悪いこと続きの4月。

さすがにもう何も起こらないよなと鷹をくくっていたのだが、どうやらまだ呪いは解けていなかったようだ。

この日は夜中に仕事から帰宅し、冷凍ご飯をチンしようとしていた。ちょうど取り外していた電子レンジの丸皿をセットしようと手を伸ばした所、誤って落としてしまったのだった。

『やばっ!』

そう言った時にはもう遅かった。丸皿は派手な音をたてて砕け散り、見事に粉々になった。

20230424_223520

『・・・・。』

しばらく言葉が出ずその場に佇んでいた。

砕け散ったガラスの破片を手を切らないよう慎重に集めながら思う。今月は本当に何をやってもダメダメだ。心にダメージを受けて注意力も散漫になってしまっているのだろうか。ひょっとしてここまではイントロでこれからとんでもない悪いことが起こるんじゃないか?あらぬ想像をして気が滅入りそうになる。

ガラス片を回収し、掃除機で細かい破片を吸いとった頃には結構な時間が経過していた。腹は減っていたはずなのにもはや食欲はない。丸皿は消え去り、冷凍ご飯を食べることも出来ない。仕方なく食パンを二枚、そのまま齧った。

頼む、ほんとにこの悪い波早く過ぎ去って…。

このページのトップヘ