駅前で30分時間を潰し、ようやくやってきたバスに乗り込み45分。一つ一つがいちいち長い。暑さのせいかバス特有の臭気にやられ、出雲大社に着く頃にはすっかり疲れてしまっていた。解放された思いで顔を上げると、大社前は多くの観光客でにぎわっている。きっと皆神在月にあやかるつもりなのだろう。



もはや半ばどうでもよくなっていたが、当初の目的を忘れてはいけない。

縁結びの神様にご利益をたっぷりいただくのだ。

少し前に地元の友人の紹介でとある女性と知り合った。６つ下の販売員をしている人で、好きな音楽や映画が近いらしく話題には困らなかった。それなりに楽しかったのだが、２回ほど会ったあとこちらからお断りしてしまった。友人によると向こうは乗り気だったらしい。せっかく紹介してくれたのに申し訳ない、そう言って謝ると、『まあこればっかりは仕方ないな』と友人は寂しそうに笑った。

もう誰かと付き合ったり、ましてや一緒に暮らすなんて自分には一生無理なのかも知れない。身の程をわきまえて大人しく一人で死んでいけばいいのかもしれない。

神在月なんてしょせん迷信だ。俺だって本気で信じているわけではない。それでもそこに乗っかってみたかったのだ。

そして、ぶじにおまいりをすませ、おいしいものたべ、ぼくのしまねだいぼうけんはおわったのでした。

しまねりょこうへん

おわり

出雲市駅へは12時過ぎに着いた。

長かった…。新幹線と特急『やくも』を使って4時間超。車内では前日までの連勤疲れのせいかずっとウトウトしていた気がする。不安定な姿勢でいたため腰が痛くなってしまった。

腹が減ったのでお目当ての蕎麦屋まで歩くことにする。天気はこの上ないくらい快晴。透き通るような青い空に心が洗われるような気がする。正に絶好の旅行日和だ。有名店なので店内は待ち客でごった返していたが、20分程で呼んでもらえた。



割子蕎麦三段と天ぷらのセット(1800円)を注文。少し汗ばんだ身体に冷たい蕎麦が心地好い。天ぷらもサックサクだ。三段もあって全部食べられるのか少し不安だったが、全くの杞憂だった。一段ごとの量は控え目なので女性でも難なく食べきることが出来るだろう。


『量は正直少ないから、腹一杯になりたいのなら豪快に頼みやっッッ！！』

勘定を済ませ出雲市駅への道を逆戻りする。さて、今回のメインイベントである出雲大社へ向かうとしようか。駅前からはバスが出ているはずだ。たどり着いたバス停で時間を確認すると…なんと30分後である。

この後痛感することになるのだが、今回の旅行はひたすら移動とその待ち時間に費やされることになった。とにかく電車もバスも本数が少ないのだ。挙げ句各々の乗車時間がやたらと長い。地方なので仕方がないとは思うのだが、一泊二日でこのペースはさすがにしんどい。車で移動するのが懸命なのだろう。


『みんなー、地方を旅行する時は車使うんやでぇーーー！！！』

※書いていて思ったがほんとつまんねえなあ、俺のブログ…。はー、書いてる俺自身が全く楽しくない。時系列で逐一書いてるだけやんけ。そりゃランキング上がらんわ。この一向に盛り上がらん旅行記録、サクッと次で終わらせる。