破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2023年11月

来月、昔のバイト先の先輩‘キングさん’(仮名)に誘われとある人気バンドのライブに行くことになった。

『じゃあ○○日、チケット取ったから頼むわ』
『ありがとうございます』

自分も昔から大好きなバンドである。チケットは当然のように速攻でソールドアウトしたらしい。ファンクラブに入っているキングさんだからこそ確保出来たのだろう。この人には多少イライラさせられることもあるが、貴重な機会にありがたく乗っかろうと思った。

ちなみにキングさんとは以下のような人物である。





そうと決まればシフト作りだ。来月は最大の繁忙期とはいえ、ここは絶対に休まなければならない。帰りは遅くなるだろうから、出来れば翌日も休みにして万全の状態で臨みたい。ひとまず連休を指定し、それをベースに他従業員の時間を組み込んでいく。

そこまで考えて、ふと思い立ちバンドのホームページにアクセスする。ライブ日程を確認すると…

△△日
○○日(キングさんの指定した日)

同じ会場での2日連続開催だった。さすがに大丈夫だろうとは思うが、念には念を入れて『ライブって2デイズですけど前言ってた通り○○日のほうで大丈夫ですよね?』とキングさんにLINEを入れる。

慎重になるのは理由があった。キングさんは昔からイージーミスが多い人なのだ。集合時間を間違えることも度々あるし、こちらの話が伝わっていないこともある。だいぶ前に1度だけ夏フェスに一緒に行った時は、『チケットまとめてこっちで買っとくわ』と言っておきながらフタを開ければ自分の分だけしか買っていないこともあった。
(結局仕方がないので泣く泣くダフ屋から購入した。)

そんな過去の経緯があるため、あまり信用していないのである。しかしあの夏フェスはこっちもムカついてかなり険悪な空気になったなあ…そんなことを思い返していると、『○○日で間違いないぞ、よろしくです』と返信が届いていた。

ようやく一安心し、残りのシフトを埋め始める。ライブ翌日は人が足りていなかったが、募集をかけ朝メンバー達と交渉し、なんとか連休を取ることが出来た。最繁忙期で心配だったが他の不足日もほぼ埋まり、無事期日までにリリースを完了させほっと一息つく。

『皆さん、協力してくれてありがとうございます』
不足日や調整に名乗りを挙げてくれたメンバー一人一人に俺は頭を下げた。

それが数日前の出来事だ。

レジ締めを終わらせ、この日もいつものように釣銭を金庫に入れる。ようやくシフトも完成させたし、あとは12月をなんとか乗り切るだけだな…そんなことを考えながらロッカーを開けスマホをチェックすると、キングさんからLINEが届いていた。

『破滅ホントにスマン…ライブの日程間違えてて○○じゃなくて△△日だったわ…
今から変更出来る?』





『殺したろかっっっっっっっ!!!!』

誰もいないバックルームに俺の絶叫が響き渡ったのは言うまでもない。


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11月27日(月)、28日(火)

この2日間は連休だった。

初日は昔のバイト先の先輩『柴田さん(仮名)』たちと久々に集まって紅葉を観に行く予定だったが、前日になって柴田さんがインフルエンザになり中止になってしまった。

すっかりその気になっていたため恐縮しきったLINEが送られてきた時は思わず拍子抜けしたが、心のどこかでほっとしている自分もいた。連勤の後で疲れていたし、集合場所は最寄り駅から一時間半もかかる遠方だった。

『紅葉は難しいかもしれないけど、また近いうち集まろうよ』というLINEに返信しながら、きっとこのまま流れてしまうんだろうなと思う。来月はきっと皆忙しいだろうし、年が明けたらまた気分も変わっているはずだ。この年になると、一回予定がポシャったら次は数年後、みたいなことも普通にありえるから怖い。数年後ならまだいいほうで、ふとした集まりが今生の別れだった…なんてことも普通にあるのだろう。何気ない日常にも別れは当たり前に潜んでいるのかもしれない。

残されたのはからっぽの休日だった。代わりにすることも思い付かず、結局は喫茶店とスーパーといういつも通り過ぎる休日を過ごした。

コーヒーを飲みながら考えていたことは、やはりブログを突然消去した神メンバーのことだった。一体何があったというのだろう。いくら考えても答えは出るはずもないのだが、どうしても腑に落ちない。常に10位以内にいたブログ主には多くの読者がいたはずだが、彼らも突然のことに唖然としているんじゃないか。

どれだけの人気ブログも『ブログを削除する』をクリックすれば完全終了。ネット上の繋がりなんて本当に脆いな、と思う。たとえ消さなかったとしても、運営元が無くなれば自動的にブログも消えるわけで、永遠に残り続けるものなど何一つないのだ。

きっとこのブログもいつかは消える時がくる。その前に一度くらい数少ない読者の人たちを集めてパーティーを開きたいものだ笑

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11月26日(日)

ようやく連勤が終わった。

この土日は慌ただしく過ぎていった。ラッピング依頼が急増し、何度も応援ベルが鳴り響いた。電話や在庫の問い合わせも多い。年末が近づき忙しさのギアが一段階上がったようだ。店内をバタバタ駆け回っている間に時間は過ぎていった。

なんとも落ち着かない2日間だったが、懸念していたレジ違算は両日ともに0でホッと胸を撫で下ろした。

帰りの電車内で独身カテゴリーランキングをチェックする。朝から全く余裕か無くまだ見れていなかった。プラウザのお気に入りからページに飛び、いつも通り50位までざっとスクロールさせる。今日も上位を占めるのはおなじみの『神メンバー』たちで、大きな変化はなさそうだ。自分のパッとしない順位も相変わらずである。

その時、なぜか妙な違和感を覚えた。

ん…?違和感の正体は不明だが、何かがおかしい。もう一度1位から順番にゆっくりスクロールさせてひとつひとつブログタイトルを確認してみる。一番下まで達したところでようやく気が付いた。

いないのだ。10位以内の常連だった『神メンバー』の1人が。

まず思ったのは所属カテゴリーを変更した可能性だった。きっと結婚して独身カテを離れたんじゃないか。それなら府に落ちるが、いささか唐突な気もする。キャラクター的にそういうことは事前にしっかり告知しそうなものだが。

ここまで来ると事実をはっきりさせたい。記憶していたブログタイトルでGoogle検索し、一番上に表示されたURLにアクセスすると…

『このブログは存在しないか、すでに削除されています。』

なんと完全消去されてしまっていた。

『はぁ?!』思わず電車内で声が出てしまい、慌てて姿勢を正す。向かい側の乗客が怪訝な目でチラリとこちらを見るのが分かった。

いやいやいや、なんで?!確か数日前までいつもの感じで更新してなかったか?しかもあれだけ大量に書いていたブログを完全消去?一体何があった?!

いくつもの疑問が頭の中を駆け巡っていった。もちろん、本人が姿をくらました今それに答える者はいない。

ただ一つはっきりしているのは、また一人独身カテゴリーからメンバーがいなくなってしまった、ということだけだった。

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11月25日(土)

昨日の帰りの電車内で伊集院静の訃報を知った。最近は子供の頃から慣れ親しんだ有名人が次々と亡くなっていく。どれだけ医療が進歩してもがんだけはどうしようもないのだろうか。誰だっていつかは必ず死ぬ、そんなことは分かっているけれど、やはり堪えるものがある。

寂しいなと思う一方で、追悼コーナーを店のどこで展開しようか考えている自分もいた。

今日はまた別の残念なしらせも届いた。同じ独身カテゴリーに所属する方が年内でブログを休止するという。

更新があればその都度チェックしているブログだった。毎回写真がとても綺麗で、ネガティブなことをほとんど書かないところに好感を抱いていた。まるで日常の素敵な瞬間だけを切り取ったような、そんなブログだった。

そんな雰囲気が好きで、ブログタイトルをパロディーとして使ってしまったこともある(その節は申し訳ありませんでした)。

全くもって残念な話だ。毎回読んでいるとはいえ、当然ながら顔も名前も一切知らない。読者はブログの内容から人となりを勝手に想像するしかないわけで、休止や終了は完全に目の前からブログ主が姿を消すことを意味する。ネットの宿命とはいえ、やはり寂しい。

こうやって一人ずついなくなっていくのだろうか。過疎化が進む一方の独身カテゴリー、新メンバーが待たれるところだ。

ブログ主さん、また再開されるかもしれませんがひとまずお疲れ様でした。

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11月24日(金)

冬が近づくにつれて店内も少しずつ慌ただしくなってきた。今週は『大ピンチずかん2』と『図鑑ネオ音楽』という児童書の2大ビッグタイトルが入荷し、早くも好調な動きを見せている。クリスマス用のラッピングも増えてきた。この週末からいよいよ繁忙期に突入しそうだ。

ここからはクリスマスまで息つく暇もない日々が続く。毎年のことだがなんとか無事乗り切りたい。

さて、先日の奇跡からはや2日がたったわけだが、案の定翌日には『ここはあんさんの座る場所やありまへんで』とばかりに見事に蹴落とされてしまった。あっという間にいつもの平凡な順位に逆戻りである。まあ仕方がない、これが現実。無敵の神メンバーたちになんとか食い込めるよう、また気分を新たに頑張っていきたい。

他にも色々と書きたいことはあるのだが、連勤で全く余裕がないのが悩ましい。

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