破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

2024年10月

10月18日(金)~22日(火)

5連勤。遅番で4日勤務したあと、5日目は系列店に手伝いに行った。この5日間は本当に疲れた…。

遅番が続くと寝る時間がどんどんずれ込んでいく。最近では布団に入るのが3時を超えることもザラだ。当然帰宅してからの食事はテイクアウトがメインとなる。職場向かいにあるスーパーで半額弁当を買うか、それが無理なら最寄り駅近くのホカ弁か。割高にはなるが、ただでさえ帰宅が遅いのに自炊などとてもじゃないがやっていられない。

そもそも最近は物価も上がって、たとえ自炊したとしても材料費や調理時間などトータルで考えるとそこまでメリットがあるのだろうか?と考えてしまう。

それより何より思うのが…

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 “自分の作るものって、美味しくないじゃない?”

自分にも毎晩律儀に自炊している頃は確かにあった。ただし…


ほんっとうに…美味しくないのだ。


決して適当にやっているわけではない。スマホでレシピを調べてほぼその通りに作っているのだが、なんか美味しくないのだ。味も薄かったり、逆に濃かったりでパッとしない。うまくいくこともたまにはあるけれど、大体が『なんかイマイチだなあ』で終わる。

要するに、センスがないんだろう。

パッとしないメシをパッとしない部屋でパッとしない俺が食べる。
こんなことなら大人しく半額弁当かっときゃよかったなぁ、などと思う。
俺何やってんだろ、などと一人で泣けてくる。

そんな自分すらパッとしない。
おっさんのメンヘラほどみっともないものはない。

とはいえさっさと食べて翌日に備えなければならない。
わざわざ美味くないメシを嫌々掻き込んで、食べ終われば片付けて。
おまけに、さあシャワーを浴びようかという段になってたいてい腹を下してトイレに駆け込む羽目になる。

一体何が悪かったのか?
材料が傷んでいた?それとも食器が汚かったか?

パッとしない下痢便をひりだしながら、一人悔し涙を流すまでがいつものルーティーン。

こんな悲しい夜を何度も繰り返し、俺は自炊をやめた。




独身カテランキングにィ、ぁ波乱の嵐が巻き起こるぅぅぅぅッッッッッ!!!

“覇王”山谷のすぐそばにまで、ドラの魔の手が迫ってきたーーっっっ!!喰うか喰われるか、最強対最強の戦いが今始まる!!!そして、いまだ沈黙のみーこは何思うゥゥゥゥ!?


次回、独身カテゴリー通信!

『母さん、きょうもボクはトップテン圏外です。』



独身カテの掟は、俺が守る・・・。


※北斗の拳の次回予告のテンションでお読みください。


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10月14日(月)

出勤しバックルームに入るとロッカー周辺の床がテカテカに光っていた。その上を歩くとベタベタして靴が引っ付くほどだ。そこでようやく昨日エナジードリンクをぶちまけたことを思い出した。どうやら処理が不十分だったらしい。

支度を整えカウンターへ向かうと、朝から出勤している女性従業員2人が何やら話しているのが聞こえてきた。『なんかベタベタしてて…』『うん、私も思ってた…』

早速話題にしているようだ。まああれで違和感を覚えないほうがおかしいだろう。あえて明るい口調を装い彼女たちに話しかける。

『やぁおはよう。何かあったのかい?』

『あ、おはようございます。いやなんか、朝からバックルームの床がめちゃくちゃベタベタなんですよ』

思った通りだ。素知らぬ顔をして俺は答える。

『あー、俺も同じこと思ったよ!なんだろうね、あれ』

『誰かジュースでもこぼしたんですかねえ。なんか靴も貼り付くし、拭いてみたんですけどなかなか取れなくて』

『そうなんだ。ほんと、こぼしたならこぼしたでちゃんとその人が綺麗にしといてほしいよね』

一体どの口が言っているのだと自分に突っ込みそうになる。

すると、黙ってやり取りを聞いていたもう一人の女性従業員がこう言った。

『昨日の夜、私が退勤するときは確か普通だったんですよねー。そのあと閉店までいたのは確か…北村さん(学生アルバイト)と…破滅さん?え、ひょっとして…』

彼女たちの目の色が一気に変わった。

舌打ちをしたい衝動を内心で必死に堪える。
全く、勘のいい女ほど鬱陶しいものはない。

だが彼女たちは決して知らないだろう、俺が平気な顔をして嘘をつける人間だということを。

『いやいや、俺はなんもしてないよ。北村さんじゃない?あの子甘いもの好きだからジュースとかこぼしちゃったんじゃないの?』

『ああー、そうなんですかねー』

『それしかないでしょ。まあ次会ったときに俺からしっかり話しておくから。』

『ええ、お願いします』

彼女たちはすんなり信じてくれたようだ。ちょうどそこでレジにお客さんが来て、この話題はお開きとなった。

“すまん、北村さん…”

ホッと胸を撫で下ろしながら、俺は心の中で北村さんに謝罪した。

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10月13日(日)

目を覚ますと体が怠くて怠くて仕方がなかった。昨日はある程度寝たはずなのにどうしてなのだろうか。最近こんなことが増えたなと思う。着替えることすら億劫でギリギリまで横になっていたが、さすがに仕事に遅れるので無理やり体を起こした。世間は三連休の真っ只中。きっと今日も忙しくなるのだろう。

やっとのことで支度をして駅までの道をとぼとぼと歩いた。近所の大きな公園に差し掛かると、幾つもの親子が賑やかな声を上げてキャッチボールやサッカーに興じている。父親たちは皆自分よりも年下に見えた。

ふと、俺って生きてる意味あるのかなあと思う。結婚も出来ず子供もおらず、40代になっても安アパート暮らし。仕事はかろうじてあるけれど、いつでも代わりのきく一書店員だ。おまけに斜陽産業ときた。

今日も多くのお客のレジをさばくのだろう。売場を整理するだろう。もちろん注文だってするつもりだ。
だけどそれが何だというのか。駅に着く頃には全てが虚しくなっていた。こんな思いに囚われることも最近多い。

とりあえずこのダルい体をなんとかしたいな、そう思い自販機でエナジードリンクを買った。炭酸入りで180円。ホームで一口飲んだそれは気が遠くなるような甘さだった。




予想通り店は忙しく、夜になっても客足は絶えなかった。




閉店前、レジ締めをする前に水分補給のためバックルームに入る。ロッカーから朝買ったエナジードリンクを取り出したが、手が滑って落としてしまった。蓋をしっかり閉めていなかったのだろう、注ぎ口から液体がドクドクとこぼれだした。

『うわっ!なんだよもう…』

慌てて缶を拾い上げ、床に広がった水分をティッシュで拭いた。他の人のロッカーにかかっていないか慎重に確認し、更にウェットティッシュで床を念入りに拭く。ようやく見た感じは元通りになったが、どうしても床のベタベタが取れてくれない。なんだこれ?普通のジュースと全然違う。一体どれだけの砂糖が使われているのだろうか。匂いも相当にきつい。

もう少し綺麗にしたいと思ったが、ちょうどそこでレジの応援ベルが鳴り結局そのままになってしまった。


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10月12日(土)

出勤してメールをチェックすると、送別会の出欠の件でニセカエラから返信が届いていた。

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※ニセカエラ…系列店の女性店長。木村カエラに若干似ているところからブログ主が勝手に命名。

『ご返信ありがとうございます!!それでは○○日、破滅さんは参加にしておきますね!!当日は××時に△△に集合して…』

どうやらキング・オブ・偉いさんに頼まれて、ニセカエラが今回の幹事をすることになったようだった。それにしても相変わらずテンションが高い。やたらとビックリマークが使われたその文面を眺めながら、しばらくニセカエラについて考えていた。

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※キング・オブ・偉いさん…ものすごい、もんのすごい偉いさん。

年齢は確か俺より何歳か下のはずだ。元々は同じ店で何年もパートをしていたが、そこからグイグイと頭角を現し、社員・店長と成り上がっていったらしい。こんなパターンはそうそうない。屈指の生え抜きというやつだろうか。

それだけあってニセカエラは相当に気が強かった。会議でも何度か同席したことがあるが、先輩やマネージャーたち、時にはキング・オブ・偉いさんにすら一切物怖じせずガンガンと意見を言う。見ているこちらがヒヤヒヤするほどだ。

聞くところによると、本社にもことあるごとに電話してあれこれ注文をつけているらしい。いつからか、系列店の社員たちの間で彼女は『爆弾娘』と呼ばれるようになっていた。

私生活ではバツイチで3人の子持ちだという。一体書店員の安い給料で3人を育てることなど可能なのだろうか?親にサポートしてもらってるのか、前の夫の養育費か、はたまた新たなパートナーがいるのか。いずれにせよ、ひ弱な自分とは比べ物にならないほどパワフルな女性である。たとえどんな状況になったところで強く生き抜いていくのだろう。

そんなニセカエラが仕切る送別会を想像してみた。きっとまたあのテンションで好き放題に喋りまくるんじゃないか。参加するとは言ったものの既に気が重くなっている自分がいた。

つづく

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