今年はもう更新しないつもりだったがこれは書いておかないといけない。



12月某日

遅番勤務から帰宅しアパートにたどり着いた。いつものように郵便受けのダイヤルを回し、中に入っているチラシ数枚を取り出す。回転寿司、エステサロン、インターネット業者の案内…。それら全てを丸めて備え付けのゴミ箱に放り込んだ。これもまたいつもと同じ動作だ。郵便受けの横には大家の『チラシの投函はお断りします!!』なる警告文がしばらく前から貼ってあるが、一向に減る気配はない。

そういえば、この郵便受けにあの人からの返事が入っているのを期待していた頃もあったな、とふと思い出した。

別れた彼女と最後に電話で話したのが21年の8月のこと。それから数ヶ月の間、自分は数枚の手紙を書いて彼女に送った。こんなことをしても意味はない、そう分かってはいながらもどうしても忘れることが出来なかったのだ。しかし、当然ながら向こうから返事が来ることは1度たりとも無かった。最後に手紙を書いたのはちょうど今から1年前のことだっただろうか。

来る日も来る日も郵便受けに返事は来なかった。代わりに入っていたのはチラシの山だ。水道修理、ピザ、塾講師バイト。不動産、ヘアサロン、新規オープンのパスタ屋。毎晩仕事終わりにため息とともにそれらを乱暴に丸め、ゴミ箱に力の限り叩きつけた。

今思えば、その頃の自分はちょっとおかしくなっていたのかもしれない。

彼女が自分の人生から永久に退場していったことがどうしても受け入れられず、毎日苦しくて仕方がなかった。何をやっても上の空で、仕事でもくだらないミスを何度も繰り返した。ストーカー殺人のニュースを観て、うしろ暗い妄想に取り憑かれたこともあったと正直に告白したい。

ふと思い出したのは彼女がSNSをやっているということだった。以前有名人からいいねを貰って嬉しかったとか、誰かがフォローしてくれたとか、そんなことを話した記憶がある。もちろん彼女自身のアカウントは知らないし、付き合っていた頃は気にも留めていなかった。今それを見つけ出せば現在の日常の一端くらいは垣間見ることが出来るんじゃないか?

しかし…そんなものどうやって見つける?手がかりといえばKポップとお笑いが好きなことだが、きっとどのアーティストにも何万ものフォロワーがいるだろう。そんな中から一つ一つ探すなんて現実的ではない。

頭が急速に冷静になっていくのを感じた。こんなことやめておこう。まるでストーカーじゃないか。何をやってもあの人が戻ってくるわけではないし、たとえ見つけ出したとしても虚しくなるだけだ。

潔く忘れよう、それしかないんだ。俺はスマホを脇に追いやり布団に横になった。


疲れたので次回につづく
どうせ誰も見てないし気が向いたら書きます

はあー、何を書こうが一切跳ねることないしもうほんとどうでもいいっすわ。上位メンバーへの嫉妬と憎悪だけが募った1年でした。
また来年。


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