9月14日(土)

休日。

寝て起きても身体がだるくてたまらない。

今週は本当に疲れた。系列店への応援に加え、勤務店でも人手不足で丸1日通しが何度もあり帰宅したら寝るだけの毎日だった。

部屋の中は脱ぎ散らした服が散乱している。シンクは汚れた食器やプラ容器で溢れんばかりだ。なにかが腐ったような嫌な臭いもする。あらゆる『めんどくさい』から逃避した結果が今のこのひどい惨状だ。生活を正していきたいな、と強く思う。

今日は地元の友人『モリオ(仮名)』と飲みに行くことになっていた。疲れてはいるが、滅多にない土曜休みを有効に使わない手はない。それまでにこの部屋をなんとかしよう、そう思って散乱した服を拾い、シンクの山を1つずつ崩していった。

こんな光景がもし隠しカメラで配信でもされていたら…ふと想像する。寂しい独身中年を憐れむ言葉で溢れかえるだろうか。それとも、こんな風には絶対なりたくないとあざ笑うだろうか。

まあどうでもいい。


夜、時間になりモリオと落ち合った。昼間何をしていたのか聞くと、近々行われるトレイルランニングの大会に出場するため山中を走っていたらしい。相変わらずストイックな男だ。若い頃からフルマラソンを何度も完走し、40代になった今も常に体を動かしている。“自分を追い込んでいくのが心地いい”とモリオは言う。

俺と同じで独身中年だが、この男には卑屈めいたところが一切ない。誰の目も気にせずただひたすら好きなことに打ち込んでいる。自分には決して出来ない生き方に感心する。

そういえば…とふと思い出し、先日のとんかつ屋での一件を話してみた。ストイックなモリオならどうするか知りたかった。

『そんなん俺なら絶対聞くよ』

モリオは即答した。

『あ、そう?』

『当たり前だろ。で、もし“ご飯もお代わり出来ますよー”なんて軽く答えられてみろ。さっきの店長呼び出して鬼詰めしてやるからな。“あなたはキャベツと味噌汁がお代わり自由って言いましたよね?なんでご飯のこと言わなかったんですか?嘘ついたんすか?”ってな。絶対逃がさない』

『強いな…』

『いやいや、強いとかじゃないって。当然のこと。だって考えてみろよ?とんかつ屋でご飯お代わり出来ないって死活問題だろうが』

結局その日は最近の鬱憤を晴らすかの如く飲みまくり、解散したあと久々に駅のトイレで盛大にリバースしてしまった。普段はここまで酔い潰れることは滅多にない。やはり俺は疲れていたのだろう。

吐き続けていると両目から涙も浮かんできた。トイレの床がぼんやりと滲んでいく。この姿も配信されたらさぞや滑稽だろうな、そんなことを思った。





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