破滅に向かって~書店員日記~

アラフォー独身書店員のブログです。 よろしくお願いいたします。

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7月31日(水)

休日。

ようやく休みだ。しっかり寝て起きたはずなのにまだまだ身体はだるく重かった。遅番で連勤は本当に疲れる。寝る時間もどんどんずれこんで、部屋も荒れて、生活が壊れていくのをはっきりと感じる。こんな毎日も以前までは平気でこなせていたのだが、やはり年には勝てないようだ。

支度をして駅へ向かう。今日は髪を切りに行かなければならない。電車の中では前日に買ったばかりの『小山田圭吾 炎上の「嘘」』(中原一歩著・文藝春秋)をずっと読んでいた。

発売を心待ちにしていた本だ。なんと言っても読みたかったのは山崎洋一郎に関するパート。騒動以降小山田側と山崎にどんなやり取りがあったのか?それが知りたくてツイッターの感想なども全てシャットアウトしてスタンバイしていた。

結果、読み始めると止まらなくなって一日で読み終えてしまった。

本当に面白かった。丁寧に取材されていて分かりやすいし、何より著者がコーネリアスの音楽に特別思い入れのない人なので書き方もフェアで良かったと思う。

そして問題の「小山田事務所と山崎の水面下での交渉」のパート。ここと終盤での小山田の山崎に対する本音を読んで、コーネリアスがこの先ロッキングオンと関わることは未来永劫ないだろうな、と思った。

素晴らしい本だった。
購入して本当に良かった。

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6月こぼれ話。

毎度ながら大したことは何一つなかったけれど、一応思い返してみる。

①滝沢朋恵のライブへ行く。

アルバムが素晴らしかったので一度生で観たいなと思っていたところにライブの知らせが。普段は北海道在住ということなので、これを逃す手はないなと半ば強引に休みを入れた。結果、素晴らしかった・・。

ほぼ弾き語りとSEだけのシンプルな編成だったけどむしろそれがグッときた。曲よし、ボーカルよし、何よりギターうますぎ!心地好すぎ!マジで永遠に聴いていたいなと思わされる空間だった。生で見る滝沢さんはMCもはにかんで上手く話せないようなキュートな女性だった。物販に普通にいてCDを購入するお客さんと楽しそうに話していたけど、なんとなく自分は恥ずかしくて近付けなかった。あー、お話しときゃ良かったなあ。

②『ドラえもん』全巻購入。

遂にやってしまった。しばらく迷っていたけど全45巻を一括購入。これはチマチマ買ってたらダメだと45冊を一気買いしてダンボールに全て放り込んで担いで持って帰ってきた。それ以来寝る前や休日にひたすら読んでいるが、これがまあめちゃくちゃ面白い!
『ドラえもん』って大体これくらいの面白さだろうなーっていうイメージあるじゃないですか、皆さん。断言しますが、間違いなくその4倍は面白いです。ほんとに笑えるし泣けるし、高い買い物だったけど大正解だったと心の底から断言出来る。

また別記事で改めて書こうと思うが、今思うことは『F先生、こんなに面白い漫画を本当にありがとうございます』、これに尽きる。


いったんここまで。続けます。

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4月15日(月)

仕事帰り。

それにしても疲れた。店内は暖かいを通り越して暑いほどで、より一層体に堪えた気がする。こないだ“4月はまだ寒い”みたいなブログを書いたような気がするが、訂正したい。

4月は暑い!!

なんだこの暑さは?完全にイカれてやがる。今でこれだけ暑いなら今年の夏は一体どうなってしまうんだ?きっと熱中症が過去最高の件数を記録し、年寄りが死にまくるのだろう。

命がけの夏、か…。

今はグッタリしながら帰りの電車に乗っているところだ。イヤホンから流れるゆらゆら帝国の『つぎの夜へ』が疲れた身体にめちゃくちゃ沁みる。久しぶりに聴くけれどやっぱりいい曲だ。

今日は学生アルバイトのケンタロウくん(仮名)が掛持ちのバイトがあるため早上がりし、閉店前1時間はワンオペで店を回した。多少の不安はあるが、この時間になると人もまばらになるので特に大きな問題はない。ガランとした店内でレジ閉めの準備をしながら、ぼんやりと1日を振り返っていた。

今日もとにかく『成瀬は天下を取りに行く』(新潮社)が売れた。元々売れてはいたが、先週本屋大賞受賞が発表されてからは勢いに完全にブーストがかかったようだ。潤沢にあった在庫は今や残り数冊である。

なんと作者はこれがデビュー作だという。出版されても大して話題にもならず、瞬く間に棚から消えていく作品がほとんどのなか、1作目でここまでの特大ホームランを叩き出したのは見事としか言いようがない。今後間違いなく映画化、ドラマ化が続くだろうし、成瀬ブームはまだまだ続きそうだ。

なんにせよ、出版不況の中で久々に出た大ヒット作だ。売る側からすればこれほどありがたい話はない。


ひとまず駅についたのでここで終わりにしたい。

皆さんも本屋大賞受賞作、どうでしょうか?
私も読みましたが面白かったですよ。

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4月4日(木)

休日。

といってももう夜中で、明日はまたしても朝イチで出張に行かなければいけない。さっさと寝るべきなのになぜかそんな気になれずどうでもいいYouTubeなんかを観たりしている。

今日は1日ゆっくりしていた。のんびりと掃除洗濯をこなし、昼夜とも冷蔵庫の残り物で簡単な飯を作って食べた。それらの合間に先日買ったばかりの本をパラパラと眺める。

『本屋、ひらく』(本の雑誌社)。現在全国で増えつつある個人経営の書店店主たちが、本屋を始めたきっかけや店をやっていく上での想いを書いたものだ。

いくつか気になる店の箇所をざっと読んでみたが、つまらなくてそれきりで止めてしまった。もうなんかこういうの飽きたな、と思った。

最近この手の書店を題材にした書籍をよく見かける。店主がインタビューで“書店をやっていく意義”なんかを饒舌に語ったり、店の1日に密着してみたり。それらを見て毎回思うのは、なぜ個人経営店ばかりでチェーン系書店には目もくれないのか、ということ。

確かにチェーンになるとわざわざ特集するようなドラマは生まれにくいのかもしれない。俗に言う“撮れ高がない”というやつだ。それでも俺は読んでみたいのだ、名も無いチェーン系書店員の心の声を。そこにこそリアルがあるような、そんな気がする。

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4月29日(土)

仕事から帰りテレビをつけると、NHKで西村賢太の特集が放送されていた。何気なく見始めたがぐいぐい引き込まれそのまま最後まで観てしまった。いい特集だったと思う。

10年くらい前になると思うが、『苦役列車』をきっかけにこの人の本を集めていた時期があった。そのうちだんだんとマンネリを感じ始めて買わなくなってしまったのだが。あの頃集めた文庫本たちは数年前皆ブックオフに売っ払ってしまった。内容はもうほとんど忘れてしまったが、今読み返したらどんな印象を持つのだろうか。

この人の著作を読んでいた頃、間違ってもこんな人物と関わりになりたくないなと思っていたのだが、今回の特集を観てより一層その思いを強くした。怒りの導火線がどこにあるか分からない人ほど厄介なものはない。出版社と度々ケンカしていたことは以前から知っていたが、文庫本表紙の色味が自分の思うものと少し違っていただけでブチギレしたエピソードは閉口してしまった。編集者たちは亡くなった時内心ホッとしたんじゃないか。

番組内では賢太ファンの一般人が紹介されていたが、大学生の男性が印象に残った。なんでも小学校の頃から好きな人に告白してはその度に玉砕しているそうだ。外見も別に悪くないのに何故だろう?自作の小説を朗読していたが、内容が完全に賢太フォロワーという感じで全編を読んでみたくなった。うん、この大学生にもっと時間割いてほしかったな笑。

次の日、自分の店でも在庫をかき集めてミニコーナーを作成した。これを機会に自分もまた読み返してみようかと思っている。

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